司法書士佐野貴盛事務所

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2025-05-28 11:25:00

エンディングノートのメリットとデメリット

みなさまこんにちは。

富士市の司法書士の佐野貴盛です。

 

終活ブームももはや一般的なものとなり、エンディングノートという言葉も一度は聞かれたことがあるかと思います。

今回はそんなエンディングノートについてのお話です。

 

エンディングノートとは、もしもの時に備えて自分の意思や希望を書き記しておくノートやメモのことです。遺言書のように法的な効力はありませんが、家族へのメッセージや希望を伝えるためのツールとして活用されています。

 

【エンディングノートのメリット】

・家族の負担軽減:
 医療や介護の希望、葬儀やお墓の希望、財産に関することなどを明確にしておくことで、もしもの時に家族が迷ったり、意見の相違で揉めたりするのを防げます。

・自分の意思の尊重:
 延命治療の希望や、どのような形で最後を迎えたいかなど、元気なうちに自分の意思を明確にしておくことで、納得のいく最期を迎えられる可能性が高まります。

・財産の整理・把握:
 資産や負債、保険、銀行口座など、自分の財産を一覧にすることで、家族がその全貌を把握しやすくなります。これにより、遺産相続の手続きがスムーズに進みます。

・気持ちの整理:
 自分の人生を振り返り、大切な人への感謝の気持ちや伝えたいことを書き出すことで、気持ちの整理ができます。

・家族へのメッセージ:
 普段なかなか伝えられない感謝の気持ちや愛情、残された家族へのメッセージなどを記すことで、心のこもった贈り物になります。

・何度でも書き直し可能:
 遺言書と異なり、法的な制約がないため、気が変わったり状況が変わったりした際に、いつでも自由に内容を書き換えられます。

 

【エンディングノートのデメリット】

・法的な効力がない:
 エ
ンディングノートに書かれた内容は、遺言書のように法的な拘束力がないため、あくまで家族への「希望」として扱われます。財産の分け方など、法的に効力を持たせたい場合は、別途遺言書を作成する必要があります。

・情報漏洩のリスク:
 個人情報や財産に関する詳細な情報を記載するため、紛失したり盗難にあったりすると、情報が漏洩するリスクがあります。保管場所には十分な注意が必要です。

・内容の不備・不足:
 全てを網羅しようとすると、作成が大変になり、途中で挫折してしまうことがあります。また、重要な情報が漏れていたり、曖昧な表現で伝わりにくかったりする可能性もあります。

・家族との認識のズレ:
 エンディングノートに書いたとしても、家族がその内容を理解していなかったり、現実的に実行が難しかったりする場合があります。事前に家族と話し合っておくことが重要です。

・作成自体が負担になることも:
 自身の終末について考えることは、精神的な負担になることがあります。

・定期的な見直しが必要:
 家族構成や資産状況、医療技術、自身の考えなどは時間とともに変化します。そのため、作成したら終わりではなく、定期的に見直して内容を更新していく手間がかかります。

  

エンディングノートは、法的な効力はないものの、家族への思いやりと自分の意思を伝えるための有効な手段です。メリットとデメリットを理解した上で、ご自身の状況に合わせて作成を検討してみるのが良いでしょう。

 

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2025-05-27 15:55:00

遺産分割協議に際して代償金として金銭を支払う場合

みなさまこんにちは。

富士市の司法書士の佐野貴盛です。

 

遺産分割協議を行うときに、遺産を取得する代わりに(代償として)他の相続人に対して金銭を支払うという取り決めをすることがあります。

今回はこの金銭の支払い(一般的には代償金と呼ばれています)についてのお話です。

 

遺産分割協議で代償金を支払う場合、原則として贈与税はかかりません。これは、代償金の支払いが遺産分割の一環とみなされるためです。

 ただし、いくつか注意点があり、場合によっては贈与税が課される可能性があります。

 

【贈与税がかからないケース】

・遺産分割協議書に代償分割の旨を明確に記載している場合
 「遺産を取得する代償として、○○に対し、金○○円を支払う」といった具体的な記載が必要です。これにより、代償金が単なる贈与ではなく、遺産分割のための支払いであることが明確になります。

・支払われる代償金が、相続した財産の価額を超えない場合
 例えば、時価1,000万円の不動産を相続した人が、他の相続人に代償金として1,000万円を支払う場合は、贈与税はかかりません。

 

【贈与税がかかる可能性があるケース】

・遺産分割協議書に代償分割の記載がない場合
 遺産分割協議書に代償分割について何も記載がないと、支払われた金銭が単なる贈与とみなされ、贈与税の対象となる可能性があります。

・相続した財産の価額を超える代償金を支払った場合
 例えば、時価1,000万円の不動産を相続した人が、他の相続人に1,500万円の代償金を支払った場合、時価を超える500万円の部分は贈与と判断され、贈与税が課される可能性があります。

 

遺産分割協議における代償金の取り決めは、税金に大きく影響するため、不安な場合は税理士などの専門家に相談することをおすすめします

 

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2025-05-23 15:34:00

相続の手続きに使用する署名証明(サイン証明)

みなさまこんにちは。

富士市の司法書士の佐野貴盛です。

 

相続の手続きの際には、遺産分割協議書を作成し印鑑証明書を添付する方法が一般的です。

ところが、相続人が海外に居住しているなどの場合この印鑑証明書を準備することができません。

そこで、印鑑証明書に代わる書類として署名証明(サイン証明)というものがあります。

今回はその署名証明(サイン証明)についてのお話です。

 

●在外邦人(日本国籍を有する海外在住者)が遺産分割協議書に添付する署名証明

日本の印鑑証明書が取得できない海外在住の日本国籍者が遺産分割協議書に署名する場合、印鑑証明書の代わりに「署名証明(サイン証明)」を添付します。

 

取得場所:
・日本の在外公館(大使館・総領事館):原則として本人が直接出向く必要があります。郵送や代理申請はできません。
・一時帰国中の日本の公証役場:一時的に日本に帰国している場合、公証役場で署名証明を取得することも可能です。

 

署名証明の種類:署名証明には主に以下の2種類があります。

■貼付型(綴り合せ型):署名する書類(遺産分割協議書など)を持参し、在外公館職員の面前でその書類に署名・拇印します。その書類に「署名・拇印したのは〇〇さん自身です。職員が立ち会いました。」という証明書が貼り付けられ、割印が押されます。この形式は、署名した書類専用のサイン証明となります。

■単独型:署名証明書単独で発行され、別途作成した遺産分割協議書などの署名と照合する方法です。ただし、提出先によっては単独型では受け付けてもらえない可能性もあるため、事前に確認が必要です。

 

必要書類(在外公館で取得する場合の例):
・有効な日本国旅券(パスポート)
・住所が確認できる書類(海外の運転免許証、家屋の賃貸契約書など)
・貼付型を希望する場合は、署名する書類(署名部分は空欄のまま持参)
・署名(および拇印)証明申請書

 

費用:
・1通あたり日本円に換算して1,700円程度(現地通貨で支払う)

 

その他:
・不動産の相続登記を行う場合、署名証明に加えて、海外に住所があることを証明する「在留証明書」も必要となるのが一般的です。在留証明書も在外公館で発行してもらえます。在留証明書に本籍地の記載を要する場合は、別途戸籍謄本も準備する必要があります。

 

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2025-05-22 13:35:00

相続放棄の有無は照会することができます

みなさまこんにちは。

富士市の司法書士の佐野貴盛です。

 

自分以外にも相続人がいるような場合、その人が相続放棄をしているか否かで相続の手続きが大きく異なることがあります。

本来であれば直接当事者から放棄したことがわかる書類(相続放棄申述受理証明書)を交付してもらえればそれでよいのですが、疎遠であるなどの理由で本人に確認をすることが難しいケースもありえます。

 

そのような場合のために家庭裁判所に相続放棄の有無を確認することができる制度があります。

1. 相続放棄の有無照会とは

相続放棄は家庭裁判所で行う手続きなので、特定の人(被相続人または相続人)が相続放棄をしたかどうかは、家庭裁判所の記録に残っています。この記録を照会することで、相続放棄の有無を確認できます。

 

2. 照会先

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。被相続人の住民票の除票や戸籍の附票で確認できます。

 

3. 照会できる人

相続人や利害関係人(債権者など)が照会できます。

 

4. 費用

照会の手数料は無料です。ただし、添付書類の取得費用(戸籍謄本や住民票など)や郵送費用、返信用切手などは自己負担となります。

 

5. 必要な書類

家庭裁判所によって若干異なる場合がありますが、おおむね以下の書類が必要です。

(1) 全員共通で必要な書類

・照会申請書(相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会書)
 各家庭裁判所のホームページからダウンロードできます。
 照会手続をした日付、照会者の氏名・住所・電話番号、添付書類の通数、照会を求める理由などを記載します。

・被相続人等目録
 被相続人の氏名などを記載します。

・被相続人の住民票の除票(本籍地が表示されているもの)
 被相続人の死亡の事実と最後の住所地を確認するための書類です。

・返信用封筒と返信用切手
 照会結果を郵送で受け取る場合に必要です。

 

(2) 照会者が相続人の場合に追加で必要な書類

・照会者と被相続人の戸籍謄本(照会者と被相続人との関係がわかる戸籍謄本)
 提出した戸籍謄本だけでは関係がわからない場合、追加で戸籍謄本や除籍謄本の提出を求められることがあります。

・照会者の住民票(本籍地が表示されているもの)
 照会者の住所地を確認するための書類です。

・相続関係図 

 

6. 手続きの流れ

・家庭裁判所に上記の直接持参するか、郵送で提出します。郵送の場合は、追跡できる書留郵便やレターパックを利用すると安心です。

・照会申請後、1週間から10日程度で回答書が郵送されてきます。
 回答書により相続放棄の有無を確認し相続手続きをすすめることができます。

 

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2025-05-16 17:52:00

登記識別情報(権利証)が提供できない場合の登記手続き

みなさまこんにちは。

富士市の司法書士の佐野貴盛です。

 

不動産の権利に関する登記を申請する際、原則として登記義務者(例えば、売買における売主など)は登記識別情報(いわゆる権利証)を提供する必要があります。

しかし、登記識別情報を紛失した場合や、そもそも通知されなかった場合など、提供できない正当な理由がある場合には、「事前通知制度」を利用することができます。

 

事前通知制度は、登記官が登記義務者に対し、申請があった登記の内容が真実であるかを確認するための通知を行い、その回答をもって本人確認とする手続きです。

 

以下に、事前通知の手続きの一般的な流れを説明します。

 

  1. 登記申請: 登記識別情報を提供できない理由を申請書に記載し、その他の必要書類とともに登記申請を行います。
  2. 登記官による事前通知: 登記申請を受け付けた登記官は、登記記録上の登記義務者の住所に対し、登記申請があった旨と申請内容が真実であればその旨を申し出るべきことを記載した事前通知書を発送します。この通知は、本人限定受取郵便などの方法で送付されるのが一般的です。
  3. 登記義務者による申出: 事前通知書を受け取った登記義務者は、通知された登記申請の内容が真実であることを確認した場合、事前通知書にその旨を記載し、記名押印(登記申請書または委任状に押印した印鑑と同一のもの)の上、法務局に提出します。
  4. 登記手続きの続行: 登記官は、登記義務者からの申出が期間内にあり、その内容に問題がなければ、登記手続きを進めます。
  5. 登記完了: 登記が実行され、手続きが完了します。


事前通知制度の注意点

  • 事前通知による場合、登記義務者からの申出があるまで登記手続きが進まないため、通常よりも登記完了までに時間がかかります。
  • 申出期間を過ぎてしまうと登記申請が却下されてしまうため、事前通知書が届いたら速やかに内容を確認し、手続きを行う必要があります。
  • 事前通知書が届かない場合や、受け取れなかった場合でも、原則として最初の発送日から申出期間が進行します。

 

事前通知制度以外の代替手段

登記識別情報を提供できない場合でも、事前通知制度以外にも以下の方法で登記申請ができる場合があります。

  • 資格者代理人による本人確認情報の提供: 司法書士などの資格者代理人が事前に登記義務者と面談し、本人であることを確認した情報(本人確認情報)を作成して登記申請と併せて提供する方法です。登記官がその本人確認情報を相当と認めれば、事前通知は省略されます。
  • 公証人による認証: 登記委任状について、公証人が登記申請を行う者が登記義務者本人であることを確認し、その旨を認証する方法です。登記官がその認証の内容を相当と認めれば、事前通知は省略されます。

 

どの方法を選択できるか、また具体的な手続きの詳細については、申請する登記の内容や状況によって異なります。管轄の法務局や、登記の専門家である司法書士に事前に相談することをお勧めします。

 

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