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エンディングノートのメリットとデメリット
みなさまこんにちは。
富士市の司法書士の佐野貴盛です。
終活ブームももはや一般的なものとなり、エンディングノートという言葉も一度は聞かれたことがあるかと思います。
今回はそんなエンディングノートについてのお話です。
エンディングノートとは、もしもの時に備えて自分の意思や希望を書き記しておくノートやメモのことです。遺言書のように法的な効力はありませんが、家族へのメッセージや希望を伝えるためのツールとして活用されています。
【エンディングノートのメリット】
・家族の負担軽減:
医療や介護の希望、葬儀やお墓の希望、財産に関することなどを明確にしておくことで、もしもの時に家族が迷ったり、意見の相違で揉めたりするのを防げます。
・自分の意思の尊重:
延命治療の希望や、どのような形で最後を迎えたいかなど、元気なうちに自分の意思を明確にしておくことで、納得のいく最期を迎えられる可能性が高まります。
・財産の整理・把握:
資産や負債、保険、銀行口座など、自分の財産を一覧にすることで、家族がその全貌を把握しやすくなります。これにより、遺産相続の手続きがスムーズに進みます。
・気持ちの整理:
自分の人生を振り返り、大切な人への感謝の気持ちや伝えたいことを書き出すことで、気持ちの整理ができます。
・家族へのメッセージ:
普段なかなか伝えられない感謝の気持ちや愛情、残された家族へのメッセージなどを記すことで、心のこもった贈り物になります。
・何度でも書き直し可能:
遺言書と異なり、法的な制約がないため、気が変わったり状況が変わったりした際に、いつでも自由に内容を書き換えられます。
【エンディングノートのデメリット】
・法的な効力がない:
エンディングノートに書かれた内容は、遺言書のように法的な拘束力がないため、あくまで家族への「希望」として扱われます。財産の分け方など、法的に効力を持たせたい場合は、別途遺言書を作成する必要があります。
・情報漏洩のリスク:
個人情報や財産に関する詳細な情報を記載するため、紛失したり盗難にあったりすると、情報が漏洩するリスクがあります。保管場所には十分な注意が必要です。
・内容の不備・不足:
全てを網羅しようとすると、作成が大変になり、途中で挫折してしまうことがあります。また、重要な情報が漏れていたり、曖昧な表現で伝わりにくかったりする可能性もあります。
・家族との認識のズレ:
エンディングノートに書いたとしても、家族がその内容を理解していなかったり、現実的に実行が難しかったりする場合があります。事前に家族と話し合っておくことが重要です。
・作成自体が負担になることも:
自身の終末について考えることは、精神的な負担になることがあります。
・定期的な見直しが必要:
家族構成や資産状況、医療技術、自身の考えなどは時間とともに変化します。そのため、作成したら終わりではなく、定期的に見直して内容を更新していく手間がかかります。
エンディングノートは、法的な効力はないものの、家族への思いやりと自分の意思を伝えるための有効な手段です。メリットとデメリットを理解した上で、ご自身の状況に合わせて作成を検討してみるのが良いでしょう。
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